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黄色い潜水艦が誇る戦術兵器 パウ・トーレスを知っているか

今季久保建英が加入し、注目度が飛躍的に上がったビジャレアル。元々育成には定評のあるチームですが、そんなビジャレアルが産んだ戦術兵器 パウ・トーレスについて少しだけ書いていこうと思います。



パウ・トーレスはスペイン・バレンシア州出身の23歳。彼は5歳の時に現在の所属クラブであり地元のビジャレアルCFに加入したいわば"カンテラの星"だ。

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アカデミーに加入後は順当にカテゴリーを上げ、2016-17シーズンにコパデルレイの試合でトップチームデビュー。そのシーズンはほとんどの時期をBチームで過ごしたが、ビジャレアルにとって地元生まれのカンテラーノがトップチームでプレーするのは実に13年ぶりのことだった。


2017-18シーズンには地元選手としては史上4人目のトップ昇格を果たすも、安定した出場機会を得ることはできず。翌2018-19シーズンはクラブのOBであるサム・カスティジェホやパブロ・フォルナルスも所属したマラガで過ごし、主力としてチームを昇格POへと導いた。そして昨2019-20シーズン、ビジャレアルに復帰。以降スタメンCBとしてビジャレアルの最終ラインを支え続けている。



そんな彼の一番の持ち味はなんと言っても左足から放たれるフィードである。それに加えて持ち上がりのドリブルという武器も持ち合わせており、そのドリブルにフィードをかけ合わせた時、パウ・トーレス戦術兵器と化す。


相手DFの隙を見つけてはドリブルで1人2人と簡単に剥がして持ち上がり、そこから同サイドへの縦パスや逆サイドへのフィードを非常に高い精度で送り込む。簡単に例えるとデカいコバチッチがドリブルで持ち上がってCBになったクロースがパスを出す、みたいな無双っぷりである。さすがに大袈裟だろと思うかもしれないが、調子が良い時は本当にそんな感じ。今まで数多くのチャンスを作り出してきたパウのこのプレーはビジャレアルのオフェンスオプションの1つとなっている。


不安のあった守備強度や対人守備も昨季の中盤以降改善されてきており、今や安心して見ていられるレベルに成長。自身を「フィジカルやスピードに頼るよりもポジショニングで勝負するDF」と表現している彼だが、191cmという魅力的なサイズも彼を総合力の高いCBへと押し上げる要素のひとつとなっている。



そしてついに2019年11月にはビジャレアルという小さな町から生まれた最初のスペイン代表選手となり、その代表では今やラモスの新たな相方筆頭候補である。

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実質的なトップチーム初年度となった昨季はクラブのレジェンドであるカソルラやブルーノ、CBコンビを組むアルビオルや彼の後ろを守るGKアセンホなど多くのお手本となるベテランたちに恵まれた。

そんな彼らのメンタリティを引き継ぎ、2024年までの契約延長を発表した会見ではロイグ会長からビジャレアルとスペイン代表の象徴となる選手」と評されたパウ・トーレスは、きっと地元の期待を背にビジャレアルという生まれ育ったクラブを新たなステージへと連れて行ってくれるに違いない。


See you soon...